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ベテラン社員が活きる職場へ!「エイジフレンドリー」

私たちの印刷現場は、重い紙を扱い、高速で動く機械を相手にする、まさにものづくりの最前線です。だからこそ、そこで長年培われたベテラン社員の皆さんの技術と経験は、会社にとってかけがえのない財産です。

しかし、年を重ねるごとに、体力の変化やちょっとした「慣れ」からくるリスクも増えてしまうのが現実です。

 

【現場の会話から見えてきたこと】

 

■工場では・・・

Tさん(40代・オペレーター): 「ふう。よっこいしょ…最近、重い版を持つときに、一瞬腰が『グキッ』となるのが怖いんだよ。昔はこんなことなかったんだけどな。」

Kくん(20代・若手社員): 「田中さん、無理してませんか?さっき、ちょっと姿勢が前のめりになってましたよ。次のロットは僕が手伝いますから、声かけてくださいね!」

工場長: その『慣れと、昔との体のギャップ』こそが、大きな事故につながりかねないんだよ!

 


 

■デザイン室では・・・

Uさん(30代・デザイナー): 「あー、ちょっと肩と首がバキバキだわ。特にここ最近、細かい文字の校正が本当に辛くなってきたの。目のピントが合うのに時間がかかるというか…。」

Hさん(20代・デザイナー): 「わかります!一日中モニターを見てると、夕方には頭痛がしてきちゃって。私もこまめに休憩しなきゃ、って思ってるんですけど、夢中になると忘れちゃいますよね。」

Uさん: 「そう、特に椅子の高さとか、モニターの明るさとか、ちょっとした調整が効かなくなってきた気がするのよね。前回の健康チェックでも言われたけど、ストレートネック気味みたいで、この姿勢が本当に良くないんだわ。」

Hさん: 「ストレートネック!私も気をつけないと… 休憩タイマーとか、強制的に立ち上がる仕組みがあればいいのにって思いますよね。デザインに集中しちゃうと、もう何時間でも同じ姿勢のまま。」

デザイン課部長: デスクワーク特有の疲れもエイジフレンドリー対策の課題だよね。
体の変化を環境でカバーし、長く活躍してもらいために健康管理は大切だよ。

社員の皆さんの「長く働きたい」という想いと、会社の「長く活躍してほしい」という願いを、安全・安心な職場環境で結びつける方法をお伝えします。

 

あなたの職場の「隠れた危険」とは?

「労災」と聞くと、なんだかとても遠い、特殊な事故のように感じてしまうかもしれません。しかし、実は日々の小さな油断や、環境の不備が、大きなケガにつながることがあるんです。

特に、私たちの印刷現場で、長年頑張ってくれているベテラン社員の皆さんが遭遇しやすい「隠れた危険」が二つあります。

 

 長年の「頑張り」が蓄積する負担(腰痛・肩こり)

印刷現場での作業は、時に無理な体勢を強いられます。例えば、重い版や紙を機械にセットするときの中腰作業、品質チェックでかがみ込んだり、体をねじったりする不自然な姿勢などです。

若い頃は回復力で乗り越えられたこれらの負担が、年齢とともに腰痛や肩こり、腱鞘炎といった慢性的な不調へと変わっていきます。

 

また、デザイン製作部門のように一日中デスクに向かい、長時間同じ姿勢を続ける作業も、異なる形で体に大きな負担をかけます。特に、細かい文字の校正や緻密なデザイン作業は眼精疲労を招き、無意識に前傾姿勢や猫背になることで、ストレートネック慢性的な頭痛の原因となります。

 

これは、働く皆さんの日々のパフォーマンス低下につながり、結果的に業務への集中力を奪い、それがまた小さな事故の元凶となり得ます。

長く健康に働くために!『エイジフレンドリー』

「エイジフレンドリー」とは、文字通り「年齢にかかわらず、誰もが働きやすい」という意味です。

厚生労働省が提唱するこの概念は、加齢に伴う体力や視覚の変化を「職場の環境」でカバーし、すべての社員の安全と健康を守るための総合的な対策を指します。


厚生労働省より(エイジジフレンドリー補助金)

「隠れた危険」を取り除くために、エイジフレンドリーな職場では、主に以下の3つの視点で対策を講じています。

  1. 安全な作業環境の整備:転倒・腰痛防止のための設備の導入や物理的な環境改善。
  2. 身体機能の低下への対応: 高年齢者に配慮した作業手順の見直しや、作業負荷の軽減。
  3. 健康状態の把握と管理: 適切な健康診断の実施、生活習慣改善のサポートなど、社員の健康を維持するための取り組み。

この総合的な対策を進める上で、設備投資などに必要な費用の一部を国がサポートしてくれる制度が「エイジフレンドリー補助金」です。この補助金は、あくまで対策を進めるための支援ツールとして活用できることを覚えておいてください。

 

自己の健康意識改革

一人ひとりの健康への意識と行動を改革することがゴールです。

課題を「見える化」する

エイジフレンドリー対策の第一歩は、「何に困っているか」を明確にすることです。

この課題の「見える化」をより客観的、かつ専門的に行うため、先日、弊社では外部の専門家をお招きし、全社員を対象とした健康チェックを実施しました。

【専門家による健康チェックでわかったこと】

  • 理学療法士による身体機能チェック: 印刷現場で酷使しがちな「腰回りや股関節の柔軟性」、そして転倒につながりやすい「片足立ちなどのバランス能力」を測定・評価してもらいました。

課題と身体的なリスクが明確になったら、具体的な対策を実施します。これは、環境改善だけでなく、個人の行動変容を促す取り組みが中心となります。

 

このストレッチは、単に体を動かすだけでなく、「自分の体が今どのくらい硬いか」「どのくらいバランスが悪いか」を体感し、日常の業務と結びつけて健康を考えるきっかけにしてもらうことを目的としています。

必要に応じて、この段階で環境整備(照明や床の改修、アシストスーツの導入など)を行い、その費用に「エイジフレンドリー補助金」の活用を検討します。

効果検証と持続的な改善

対策実施後、導入したストレッチが定着しているか、体力・バランス能力の再チェックで改善が見られるかなどを検証します。この検証結果を基に、さらなる改善点を見つけ、対策を継続していきます。

4.健康を自分で創る!今日からできる体感と行動の改善

「自分の体は大丈夫」と思っていても、理学療法士さんによるチェックで「隠れた弱点」が明らかになった方もいるかもしれません。

 

エイジフレンドリー対策で最も大切なのは、設備に頼る前に、まず自分の体と向き合い、その動きを改善することです。

健康チェックの結果をヒントに、今日からできる具体的な「行動改善」のヒントをご紹介します。

 

 

① 転倒リスクを減らす!「3秒立ち止まる」意識改革

印刷現場での転倒事故は、「急いでいる」「慣れている」という油断から生まれます。以下の3つの意識を持つだけで、転倒リスクは劇的に減らせます。

■ 作業動作の「立ち止まり」意識

重いものを持ち上げる際、**「一度立ち止まり、両足を肩幅に開く」という動作を徹底しましょう。反射的な動作による腰への急激な負荷を防ぎ、「体が安定した感覚」**を掴めます。これが、安全な作業動作を体感する第一歩です。

■ 「3点支持」の徹底

機械の調整や清掃を行うとき、体の一部(手や肘)を機械に軽く触れさせ、3点で体を支える意識を持ちましょう。バランス能力の低下による転倒リスクを大幅に減らすことができます。

■ 定期的な「遠くを見る時間」の確保

細かい印刷物に集中した後は、意識的に窓の外の遠くの景色を数秒間眺める習慣を導入しましょう。目の調節機能をリフレッシュさせ、視覚疲労とそれに伴う集中力低下を防ぐことができます。

 

② 身体機能の維持と回復を促す運動とサポート

専門家によるチェックを活かし、会社として社員一人ひとりの健康をサポートする具体的な取り組みを進めています。

■ 理学療法士監修のストレッチ導入

印刷作業で凝り固まりやすい腰や肩の筋肉を重点的に伸ばす、休憩時間用の5分間ストレッチを開発・導入しました。これを継続することで、慢性的な不調を予防し、業務中の疲労を効果的に回復させます。

■ 定期的な体力・バランス能力チェック

転倒リスクを早期に発見するため、理学療法士の指導に基づいた簡便なバランス能力テストを定期的に実施していきます。これにより、社員の皆さんが自身の身体機能の変化を具体的に知り、改善への意識を高めることができます。

 

これらの改善は、ベテラン社員だけでなく、すべての社員の負担を軽減し、結果として生産性の向上にも直結します。疲れにくい環境は、集中力を維持し、ヒューマンエラーの削減にもつながるからです。

 

【私たち一人ひとりの心がけが未来を創る】

会社は環境を整えますが、それを活かすのは、私たち一人ひとりです。

 

今日のブログで紹介した「3秒立ち止まる意識」や「5分間ストレッチ」など、小さな心がけを毎日積み重ねてみませんか?

是非皆さんの職場でもエイジフレンドリー補助金を活用してよりよい職場づくりを目指してください!

※最新の補助金情報や申請期間については、必ず厚生労働省または管轄の労働局の公式情報をご確認ください。

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