これは 「物忘れ?」それとも「認知症?」
※本記事の情報は診断を行うものではありません。不調を感じた場合は必ず医療機関を受診してください
物忘れと認知症
娘:「あれ?お母さん、さっきも同じこと言ってなかった?」
母:「あら、そうだったかしら? もう、年かしらねぇ」
娘「でも、さっきお昼に食べたもの、何だったか覚えてる?」
母:「えーと、なんだっけ? 鶏肉…だったかなぁ。もう、全然思い出せないわ」

これは、もしかしたら皆さんのご家庭でも見られる、ごく日常的な会話かもしれません。
「ただの物忘れだろうか?」
「もしかして、認知症の始まりなのだろうか?」
こうした不安が、ふとした瞬間に心に重くのしかかることはありませんか?
認知症と加齢による物忘れは、どう違う?
「最近、物忘れが増えた」という悩みは、多くの方が経験するものです。
しかし、加齢による自然な物忘れと、病気としての認知症は根本的に異なります。
加齢による物忘れ
体験の一部を思い出せないことはあっても、その体験自体を忘れることはありません。
例えば、「昨日の夕食に何を食べたか思い出せない」といった状況です。
ヒントを見たり、時間が経ったりすることで「ああ、そうだった!」と記憶がよみがえることが多いのが特徴です。
認知症の症状
体験したこと自体を忘れてしまうのが大きな特徴です。
例えば、食事をしたこと自体を忘れて「まだご飯を食べていない」と訴えたり、慣れているはずの場所で道に迷ったりすることがあります。
さらに症状が進行すると、思考力や判断力、コミュニケーション能力など、生活全般に関わる認知機能に影響が及ぶとされています。
厚生労働省の推計によると、日本の高齢化に伴い、認知症と診断される方の割合は増加傾向にあります。
また、65歳未満で発症する「若年性認知症」もあり、働き盛り世代の生活や家族の基盤に大きな影響を与えることがあります。認知症は決して特別なことではなく、誰もが関わりうる身近なテーマと言えます。
代表的な認知症の種類と一般的な症状
認知症には、原因となる病気によっていくつかの種類があります。
ここでは、代表的な4つのタイプと、一般的に報告されている症状の特徴をご紹介します。
※症状の現れ方や進行には個人差があります。
1. アルツハイマー型認知症
認知症の中で最も多いとされるタイプです。
脳内に特定のたんぱく質が蓄積し、神経細胞が影響を受けることで発症すると考えられています。
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初期に見られる傾向:新しい出来事を覚えにくい「記憶障害」が目立ちやすくなります。(例:同じ話を繰り返す、物の置き場所を忘れる、日付の感覚が曖昧になるなど)
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進行時の傾向:日常生活の複雑な作業(金銭管理や調理など)が難しくなったり、時間や場所の把握が困難になったりすることがあります。
2. 血管性認知症
脳梗塞や脳出血など、脳の血管の障害によって生じるタイプです。
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初期に見られる傾向:障害を受けた脳の部分によって症状が異なり、保たれている機能と低下している機能が混在する(まだら状の現れ方をする)ことがあります。
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進行時の傾向:認知機能の変化に加え、歩行のふらつきや手足の麻痺、感情のコントロールが難しくなる(急に泣く・怒るなど)といった身体・精神症状を伴う場合があります。
3. レビー小体型認知症
脳の神経細胞に「レビー小体」と呼ばれる物質が集まることで発症するタイプです。
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特徴的な症状:実際には存在しないものが見える「幻視」が現れることがあります。本人は現実と感じているため、否定せずに受け止める姿勢が推奨されています。
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その他の症状:手足の震えや動きにくさ(パーキンソン症状)、睡眠中に大きな声を出したり暴れたりする症状がみられることもあります。
4. 前頭側頭型認知症
脳の前頭葉や側頭葉に変化が生じることで発症するタイプです。
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特徴的な症状:社会的なルールやマナーに関する意識が変化し、これまでと異なる行動(思慮に欠ける行動など)をとってしまうことがあります。
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その他の症状:決まったパターンで行動を繰り返す「常同行動」や、言葉が出にくくなる「失語」などが現れるケースもあります。
⚠️ ご留意いただきたいこと ※本記事の情報は診断を行うものではありません。不調や不安を感じた場合は、自己判断に頼らず必ず医療機関を受診してください。
「もしかして?」と感じたときの具体的な対応策
ご自身やご家族の様子に「普段と違うかも?」と感じた場合、一人で抱え込まずに相談することが大切です。
もしかして? と感じたら
日常生活で気づく変化チェックリスト
以下に挙げる項目は、認知症の初期にしばしば見られる行動や言動の変化です。当てはまるものがあれば、チェックを入れてみましょう。
記憶に関する変化
- 📞 最近のできごとや約束を頻繁に忘れるようになった。
- 💬 同じ話を何度も繰り返すようになった。
- 👛 大切なものを置き忘れたり、失くしたりすることが増えた。
- 🗓️ 今日の日付や曜日、季節がわからなくなった。
- 👨👩👧👦 家族の名前や顔がわからなくなることがある。
思考・判断に関する変化
- 🔢 お金の計算や、買い物の合計ができなくなった。
- 🍳 料理の手順を忘れたり、味付けを間違えたりすることが増えた。
- 🏠 慣れているはずの場所で道に迷うことがあった。
- 📞 電話やメール、リモコンなど、今まで使えていた機器の操作が難しくなった。
- 🚦 危険な状況(火の消し忘れ、道路への飛び出しなど)に気づきにくくなった。
性格や行動に関する変化
- 😔 些細なことで怒ったり、悲しんだり、感情の起伏が激しくなった。
- 😥 今まで好きだった趣味や外出を嫌がるようになった。
- 🚿 身だしなみを気にしなくなり、清潔感が保てなくなった。
- 🤫 周囲への関心が薄れ、人との交流を避けるようになった。
- 🗣️ 会話中に適切な言葉が出てこず、会話が途切れることが増えた。
チェックリストで複数の変化を感じた場合でも、すぐに認知症だと断定されるわけではありません。
体調不良や薬の影響、一時的なストレスなどが原因である場合もあります。まずは適切な専門機関へご相談ください。
1. かかりつけ医への相談
日頃の健康状態や持病を把握しているかかりつけ医に、まずは相談してみるのがスムーズです。必要に応じて専門医への紹介を受けることができます。
2. 地域包括支援センターの活用
地域包括支援センターは、高齢者の生活や健康に関する総合相談窓口です。
保健師や社会福祉士などの専門職が常駐しており、医療機関の案内や介護保険制度の利用について無料で相談に乗ってくれます。
3. 「物忘れ外来」などの専門外来
認知症の専門的な診断を行っている「物忘れ外来」や「神経内科」「精神科」「心療内科」などを受診する方法もあります。
画像検査(CT・MRI)や心理検査などを通じて、専門医による正確な評価を受けることができます。
認知症を完全に防ぐ方法はありませんが、日々の生活習慣を整えることで、脳と体の健康を維持しやすくなると考えられています。
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バランスの良い食事:野菜、魚、大豆製品などを取り入れた規則正しい食生活を意識します。
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適度な運動:ウォーキングなど、無理のない範囲で継続できる有酸素運動を取り入れます。
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人や社会との交流:友人との会話や地域の集まりなど、人との関わりを保ちます。
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知的刺激活動:読書、パズル、新しいことへの挑戦など、頭を使う活動を楽しみます。
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質の良い睡眠:十分な休養をとり、生活リズムを整えます。
まとめ
認知症は、決して特別な病気ではありません。誰もがなりうる可能性があり、誰もが関わる可能性のある身近な問題です。
「物忘れが増えたかも」と感じたとき、放置したり一人で悩んだりせず、早い段階で専門機関へ相談することが安心につながります。
大切なのは、正しい知識を持ち、過度に恐れることなく向き合うこと。そして、困ったときに一人で抱え込まず、専門家や周りの人々に頼ることをおすすめします。
⚠️ ご留意いただきたいこと ※本記事の情報は診断を行うものではありません。不調や不安を感じた場合は、自己判断に頼らず必ず医療機関を受診してください。
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